プロテイン(Protain)は英語で、直訳するとタンパク質です。

ただ、日本の場合はプロテインサプリメント(タンパク質を高濃度で抽出して粉末状にしたもの)を指すことが多いですね。

プロテインサプリメントには大きく分けて『動物性』と『植物性』の2種類があります。

動物性は乳や肉などを原料に使用したもの、植物性は大豆や豆、玄米などを原料として使用しています。

一般的に認知度も高くなってきたプロテインですが、製造方法や効果などの違いがあります。今回はそれぞれの特徴と違いを説明して、ご自身にあうプロテイン選びの参考にしてみてください。

ホエイプロテイン(動物性プロテイン)

ホエイプロテイン イメージ

ホエイ(whey)は日本語に直訳すると『乳清』です。

乳(牛乳)から脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液で、牛乳に含まれるたんぱく質の約20%を占めています。

チーズを作るときに発生する液体や、ヨーグルトの上澄みなどがこれにあたります。

この水分を飛ばして粉末状に加工したものが、プロテインサプリメントの原料として利用されます。

ホエイプロテインの特徴

ホエイプロテインの特徴としては下記のようなものが挙げられます。

  1. 体内への吸収が早い
  2. 筋肉の合成に必要なアミノ酸(ロイシン)が豊富
  3. 生体内での利用効率が良い

また、ホエイプロテインは製法ごとに様々な特徴を持っているので、購入する際にどのような製法で作られているのかを確認してみると良いでしょう。

ホエイプロテインの製法は下記の3つが挙げられます。

WPC製法

Whey Protein Concentrate/ホエイ プロテイン コンセントレイトの略です。

乳(牛乳)からホエイをろ過して凝縮するだけで、製造方法が比較的簡単なので価格的にも安価です。

ただタンパク質の含有量は約80%と、他の3つの製法の中では一番低く、お腹がゴロゴロする原因となる『乳糖』が多く含まれます。

また、純度が低い=不純物も多いため独特のえぐみや臭みが強い場合があります。

もしかするとザラザラとした舌触りや風味が苦手な方がいらっしゃるかもしれません。

他の製法に比べて吸収もゆっくり(3時間以上と言われています)なので、即効性を求める方には不向きかもしれません。

WPI製法

Whey Protein Isolate/ホエイ プロテイン アイソレイトの略です。

WPCで分離されたタンパク質を、さらに『イオン交換』または『フィルター膜処理』などの方法で不純物を取り除いたもので、タンパク質の含有量も約90%と高めです。

ちなみにフィルター膜処理の場合、タンパク質を低温で処理できるため、熱による変性の心配がないと言われています。

WPI製法は純度が高い分、WPC製法よりも消化吸収が早く、脂質や乳糖も1%未満とほとんど含まれていないため、お腹が緩くなりやすいという方でも安心してご利用いただけます。

ただ、製造に手間とコストがかかるため、価格も少々高めです。

より高品質なタンパク質を求める、アスリート的な方にはオススメかもしれません。

WPH製法

Whey Protein Hydrolysate/ホエイ プロテイン ハイドロリサイトの略です。

WPCで製造したタンパク質を、酵素の働きでアミノ酸の細かいレベル(ペプチド)まで分解するのがWPH製法です。

WPH製法で作られたものは、別名『ホエイペプチド』とも呼ばれます。

すでに分解された状態なので、胃腸への負担も少なく、吸収速度も3つの製法の中で一番早いことが特徴です。

タンパク質の含有量も90~95%と高いのですが、価格も3つの製法の中で最も高価なので、なかなか気軽に購入は出来ないかもしれません。

カゼインプロテイン(動物性プロテイン)

牛乳 写真

カゼインは乳(牛乳)に含まれるタンパク質の約80%を占める物質で、乳固形分と呼ばれる主要成分の一つです。

チーズやヨーグルトは、このカゼインが凝固する性質を利用して作られたものです。

カゼインプロテインの特徴

カゼインプロテインの特徴としては下記のようなものが挙げられます。

  1. 体内にゆっくり吸収される
  2. 腹持ちが良い
  3. 体内の利用効率が良く、カルシウムや鉄の吸収を助ける

ホエイプロテインが水に溶けやすい水溶性で、カラダに吸収される速度も2~3時間と早いのに比べ、カゼインプロテインは水に溶けにくい不溶性なので、7~8時間かけてゆっくりカラダに吸収されるという特徴があります。

必須アミノ酸の含有量もホエイと比較すると若干少ないので、即効性を求めるプロテインとしては不向きかもしれません。

ただ、吸収が遅いことで、体内に長時間アミノ酸を供給できるため、効果が長続きするという利点もあります。また、胃の中で固まる性質があるので、満腹感も長続きします。そのため、カゼインプロテインは別名『スタミナプロテイン』とも呼ばれます。

長時間で見た場合、ホエイよりも筋タンパク質合成効果が高いことも報告されていて、ハードなトレーニングをされている方はオフの日に、もしくは寝る前などに摂取すると、疲労回復や筋肉の修復などの効果が期待できます。

ソイプロテイン(植物性プロテイン)

大豆写真

ソイは直訳すると大豆。つまり大豆のタンパク質が主原料の大豆プロテインです。

大豆には油脂のほかに約35%の良質なタンパク質が含まれていて、ソイプロテインは油脂を搾汁した後に、タンパク質を抽出したものになります。

ホエイやカゼインが乳(牛乳)を原料とする動物性プロテインなのに対し、ソイプロテインは植物性のプロテインです。

ソイプロテインの特徴

ソイプロテインの特徴としては下記のようなものが挙げられます。

  1. 吸収がおだやかである
  2. 腹持ちが良い
  3. 中性脂肪や内臓脂肪、コレステロール値の低減が期待できる
  4. 美容やダイエット効果が期待できる

カゼインプロテインと同じく、消化吸収の速度が緩やかなため、腹持ちが良いという特徴があります。

また植物性で乳糖も含まないため、乳糖不耐症などで乳由来のプロテインが苦手という方でもお飲み頂けるはずです。

不飽和脂肪酸(動物性油脂)やコレステロールも少なく、大豆イソフラボンなど女性に嬉しい成分も含まれているので、美容やダイエットを心掛ける女性には特におすすめです。

ソイプロテインは運動しなくても筋肉が増える?

近年の研究で大豆由来のタンパク質は、筋肉の萎縮を抑制する働きがあることが分かってきました。

ある研究によると、ほとんどが寝たきりか車椅子での生活を送っている入院患者54名に対し、毎日の食事に大豆を加えて1ヶ月経過を観察したところ、約7割の患者に大幅な筋力の改善が見られた、という結果が得られたそうです。

これは、大豆タンパク質が特殊な構造をしていて、筋肉が分解することを防ぐ効果があるからなのだそうです。

そのため、大豆を摂ると筋力の低下を防ぎ、筋肉が付きやすい体質になるのだとか。

ちなみに摂取量の目安は1日8gとされています。

また、アメリカの研究機関『FDA Health Claim』の研究によると、大豆タンパクを1日25g摂取し続けると、心疾患のリスクも低減できるとのこと。

筋肉よりも美容や健康・ダイエットで考えるならソイプロテインがオススメかもしれません。

 

 

その他のプロテイン

一般的に流通している上記のプロテイン以外にも、マイナーながら下記のような種類のプロテインも存在ます。

ピープロテイン(植物性)

エンドウ豆(黄色エンドウ豆/イエローピー)を原料にした新しい植物性プロテインです。

植物性で乳、大豆、卵などのアレルゲンを含んでいないことや、非遺伝子組み換えであるため、大豆の遺伝子組み換えを懸念するヴィーガンやベジタリアンの方を中心に注目が集まっています。

筋肉の修復や精製に必要不可欠な3種のアミノ酸・BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)もホエイ並みに含まれていて、吸収速度はソイプロテインと同じように穏やかです。

鉄分やマグネシウムが豊富で、血糖値を安定させてくれる効果も期待できるので、ソイプロテインからの乗り換えを考えている方にはオススメかもしれません。

ただ、非常に高価で国内ではまだ種類も少ないため、なかなか入手は困難かもしれません。

ライス(玄米/発芽玄米)プロテイン(植物性)

玄米からタンパク質抽出したプロテインで、ソイプロテインの代替素材として、欧米では積極的に利用され始めています。

筋肉を肥大させる目的においては、ホエイとほぼ同等の効果が認められているとの研究結果もあり、腹持ちも良く、アミノ酸スコアも参考値ながら100とバランスも良いプロテインなのですが、非常に高価なことと、味わいが独特なので味付けが非常に難しいことから、純粋なライスプロテインというものはなかなかないようです。

そのほとんどがピープロテインとミックスされて使用されるようです。

ピープロテイン単体では、システインやメチオニンの量が若干不足するのですが、ライスプロテインはそれらを補うことが出来るそうです。

ビーフプロテイン(動物性)

その名の通り牛肉を原料にしたプロテインです。

牛肉(例えば牛ステーキなど)は、食べてから消化・吸収されるまでに5時間以上かかると言われています。

しかし、ビーフプロテインなら1時間程度で消化・吸収されるうえに、筋持久力をサポートする『ビタミンB群』や、血液の産生に欠かせない『鉄分』、筋繊維の回復や男性ホルモンの活性化に欠かせない『亜鉛』など、様々な栄養素も含まれています。

また、ホエイやカゼインには含まれていないアミノ酸の一種『クレアチン』も多く含まれています。

クレアチンには筋肉を成長させたり、筋肉のエネルギーを持続させたりする効果があります。

日本ではなじみが薄いプロテインですが、海外の一部のトレーナーからは熱狂的に支持されているそうです。

ここまでくるとパーフェクトのように思えるプロテインですが、驚くほどマズいというのが最大のデメリットでもあります。

商品レビューを見ると「マズ過ぎて二度と買わない」的なものも散見されますので、手放しでオススメは出来ないプロテインですね。

エッグプロテイン(動物性)

エッグプロテインは、卵白(卵の白身)を使用して作られたプロテインです。

糖質、脂質、コレステロールが少ないため、ダイエットをしながら筋肉をつけたい、という方にはオススメです。

また、血清中のタンパク質である『アルブミン』が豊富であるという特徴があります。

アルブミンは体中に様々な成分を運んでくれる<栄養の運び屋>的な存在です。そのため栄養が体の隅々まで行き渡りやすくなり、逆に余分な血中の毒素などは体外に排出されやすくなります。

さらに、アルブミンは体内に吸収されると筋肉に変化しやすいという特徴を持っているので、エッグプロテインを摂取して運動すると、より効率的に筋肉を付けることが出来ます。

ただし、ホエイやカゼインに比べて高価なため、なかなか市場には出回っていません。

まとめ

プロテインには様々な特徴があり、価格帯や味も様々です。

また、運動せず過剰に摂取するともちろん太りますし、腎臓に負担をかけるとも言われています。

まずは生活習慣や自身の体質、食事のメニューに合わせて、『不足している分を補う』という感覚でプロテインを普段の生活に取り入れてみるのがいいのかもしれません。