『適度な運動』が毎日を健康に過ごすには大事、というのは皆さんご存じかと思います。

ただ、ハードな運動をしすぎると逆に免疫力は下がってしまいます。

そこで、今回は運動と免疫力の関係についてまとめました。

適度な運動ってどのくらい?

歩いている男女の写真

『適度な運動』と言っても、捉え方は人それぞれです。

その中で一つの指標になるのが『1日8,000歩・中強度の運動を20分』です。

これは、東京都の健康長寿医療センター研究所が、高齢者5,000名を対象に追跡調査をした結果から得られた、運動量と様々な病気の発症率との相関関係をもとに定められたものです。

それによるとそれぞれの病気は、下記のような運動をすることで、発症率が下がることが分かっています。

予防できる病気1日あたりの歩数中強度の運動
うつ病4,000歩5分
脳卒中や認知症5,000歩7分30秒
心疾患5,000歩7分30秒
肺や大腸などのガン7,000歩15分
骨粗しょう症7,000歩15分
糖尿病・脂質異常症8,000歩20分

ちなみに『中強度の運動』の目安は、軽く会話が出来て汗ばむ程度の運動です。

心拍数は下記の計算式で計算できます。

(最大心拍数 - 安静時心拍数)×50% + 安静時心拍数

※ 最大心拍数は220-年齢で算出できる

例えば40歳で安静時の心拍数が70の方の場合

最大心拍数は220-40=180となるため、

( 180 - 70 ) × 50% + 70 = 125

つまり125が中強度の運動時心拍となります。

心拍計などを持っていらっしゃる方は、一度ご自身の安静時心拍数を図って、参考にされてみてはいかがでしょうか。

適度な運動は免疫力をアップさせる

医療イメージ

近年の研究で、適度な運動は免疫力をアップさせることが分かってきました。

免疫の中で大きな役割を担っているものに、免疫グロブリンがあります。

免疫グロブリンは血液中や組織液中に存在する抗体で、細菌やウィルスなどの微生物が侵入してきた場合、この免疫グロブリンがそれらを撃退してくれるのです。

ある実験では、45分間の低強度歩行運動を週5回・約3ヶ月継続したところ、運動後に血液中の免疫グロブリンが増加したという結果が得られました。

また、運動習慣のない高齢者が週2回の軽い筋力トレーニングと適度な有酸素運動を継続したところ、1年半後には免疫力の指標である唾液中の分泌型免疫グロブリンA(SIgA)の濃度が約2倍にアップした、という研究結果も報告されています。

激しい運動は免疫力を低下させる

体調不良の女性

ただ、運動をし過ぎると逆に免疫力が低下してしまい、病気にかかりやすくなってしまうそうで、一流のアスリートは、普通の人よりも風邪などの感染症にかかる頻度が高いという報告もあります。

例えば、マラソンなどの強い強度の運動をした人は、しなかった人に比べて運動後に風邪にかかる確率が2~6倍も増加した、という研究結果も報告されています。

体力は『行動体力(運動する力)』と『防衛体力(体を守る力)』の2 種類に分けられるのですが、アスリートの場合、過酷なトレーニングで行動体力を極限まで高めようとするあまり、防衛体力が犠牲になってしまうそうなんです。

腸活と笑顔でさらに免疫力アップ

笑顔でお腹を抑える女性の写真

免疫力をつかさどる免疫細胞の7割は『腸』で作られます。

そんな免疫細胞たちをトレーニングしてくれるのが乳酸菌です。

生まれたばかりの免疫細胞(リンパ球)は、まず様々な病原菌やウィルス等に対応できるよう、小腸で腸内細菌(乳酸菌など)を攻撃の相手に見立てて訓練を行います。

ボクサーでいうと乳酸菌を相手にスパーリングを重ねる、というイメージでしょうか。

そして、訓練が終わり一人前になってから、免疫細胞は全身へと旅立っていきます。

より多く、様々な種類の乳酸菌を摂取することで、免疫細胞はよりハードなトレーニングを積むことが出来、より強い免疫細胞に育つ、というわけです。

ですから、出来るだけ多種・多量の乳酸菌を摂取することが免疫にとっては望ましいのです。

ちなみに、残り3 割の免疫細胞は『心(自律神経)』で作られるそうです。

笑うと免疫力が上がる、というのはこのためです。

免疫力アップのために、毎日適度な運動と乳酸菌、そして笑顔。
皆さんも是非意識してみてはいかがでしょうか。